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すって、はいて、そしてにっこり

泣き虫でおどおどきょどきょどした不思議なイキモノを育てるにしうらーぜのやっぱりミハ総受けのパラレル話。
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推参!

タマゴの殻が割れてて三橋がいねぇ!
ユウイチロウがコウスケの部屋の扉をばたーんと開けて、開口一番、衝撃発言をのたもーた。
「はぁ?」
部屋で割り当てぶんの報告書がくしゃりと恐ろしい音をたてた。
「今日も天気いいだろ?窓全開で、窓の近くにタマゴ置いて、オレもほーこくしょやってたらユウトが来て、話をユウトの部屋でして、戻ったら…」
部屋は閉めてあったし、窓枠にタマゴのかけらが落ちてたから…と言った瞬間、コウスケは部屋を出た。
「探すぞ!ユウイチロウ!」
「よしきた!」
途中、カズトシの「廊下は走るなよー」という声を聞いたような気がしたが、無視。
落ちたであろう場所を確認。ユウイチロウがさっと日だまりがあるほうを指差す。
「あっちにいる。」
ユウイチロウの勘は凄い。そこでコウスケとユウイチロウはにやりと笑い合い、瞬間これでもかという真剣なか顔になる。
「一発勝負な。」
「さっさと迎えにいかねぇとな。」
ふふふと笑い合うと、一気に拳をふりおろす!

『じゃんけん、ぽい!』

瞬間、コウスケが走りだし、ユウイチロウがうぎゃーと声をあげる。

(ユウイチロウのここ一番勝負は必ずグーをだすからな。)
前方を見る。見覚えのある姿と、むくむくおむつ。一気に沸き上がる怒気。
「こンのバカヨシロウ!」
コウスケ必殺、踵落としがほえほえと和んでいたヨシロウの脳天に決まったのだった。
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B子さんへ( 笑)

日溜まりの、一番気持ちよい場所にヨシロウはおむつむくむくのちっこいのをだっこしたままその場にゆっくりと腰をおろした。んぎゅーっとしがみついていた手はまだんぎゅーっのままである。
「おひさまさんさん、かぜはそよそよ。きもちよくないか?」
ちっこいのはむーと言って、おそーるおそる手を離した。むくむくおむつが膝を離れ、ぺたんと緑色の絨毯に座り込む。
「気持ちいか~?ごろんごろんしてみろ。」
「う。」
ころんと前に転がると、まんまるおめめがこれでもかと開かれる。近くをありんこが通ったらしい。
「ウヒッ」
笑う。声は独特だが、満面の笑顔。
「そうかー。よ」
突然ヨシロウの声が止まる。なにかな?と見ると、ヨシロウが消え、聞き覚えのある声が笑顔にさせる。
「三橋。大丈夫か?」
真っ黒な髪の毛は、お日さまに見せても真っ黒で。
「こー?」
一応訊く。見ると目の前の人はにやりと笑うと、頭をなでながら「そ。コウスケ。」と言った。
「こー!」
むにむにと立ち上がり、コウスケの広げた手の中にすぽっとおさまる。
「初めまして三橋。コウスケだよ。」
「う。」
ふへっ
三橋は笑った。

ごたいめん

ヨシロウは、目の前にいる、ちっこい生き物を見ていた。
農家出身のユウイチロウがいるが、彼だって武の神官だ。仕事が入る時はままある。他の神官もなかなか板についてきたが、発育状況を確認して、ユウイチロウかユウトに報告する必要がある。その為に裏庭に出てきたら…

ちっこいのがユウイチロウの窓の近くに落ちていた。むくむくおむついっちょで…まあ、この季節の昼間、風邪はひかないだろうと思うが…

そしてこれが重要。

このちっこいのは自分に脅えている。ということだ。まだ泣いていない。という状況。どうすればいいか。
持ち前の笑顔を出す…商人なのですぐに出すことも可能だが、これは目の前のちっこいのが可愛いので、自然と出た。
しゃがみこんで、視線をあわすと、再度にっこり。
「そこは寒いからな、日向に行って日向ぼっこしよう?」
う。という声が聞こえる。
「いや?」
「うー」
ぷるぷると小さく首を振る。
「そっか。ならおにーさんがだっこしていこう。」
ひょい、とだっこする。う、ぉ。と声をあげ、反射的にヨシロウにしがみつく。
「落とさないからな~。怖がらなくていいぞ。」
「う」
ぎゅうぎゅうに抱きついてくるちっこいのに苦笑しながら、ここ一帯に行商している商人、ヨシロウはゆっくりと歩きだした。

ぐらり

タマゴの中身はイッショウケンメイ考えていた。

(三橋のおめめ、見てみたい♪まんまる♪おめめ、見てみたい♪)

フミキくんはいつもいつもうたいながらこのないたカタマリをかりかりとひっかいてくれた。

だから、と。

少しだけカタマリを叩いてみた。

ぽろり。

あんなにシュウちゃんが叩いてもびくともしなかったのが、カンタンにおちてしまった。入ってくる光がまぶしい。

「三橋のおめめ、見てみたい♪」
フミキくんが穴から見てくる。
ちょっと穴から見てみる。フミキくんのおめめ、きれいだ。
ユウイチロウくんとコウスケくんのおめめ、どんな色してるんだろう。
こないだちょっと見たとき、あまりわからなかったから。
カタマリの中で、ゆらゆらとゆれてかんがえる。

ゆらっ

ひときわカタマリがおおきくゆれた。そしてそのままもとのとこにもどらない。

ぱっしゃーん!

カタマリが、われちゃって、まぶしい光がぱーって入ってくる。まえみたいにおしりがやわらかいのでつつまれる。

きょろ、とみまわす。みどりいろの草といろんな色のお花さんがおめでとうっていってくれる。

んしょ。と立ってみる。よろよろってしながらも立ってみた。

てくてくあるいてみる。

「こんなとこでおむついっちょであるいてるのはだーれだ?」

びっくりしすぎてころんだ。

はじめてきく声にそぉーっと見ると

おおきな人が立っていた。

ちらちらっ

コウスケの部屋に運び込んで、まずは一息と水差しからカップに水を注いで「お疲れ~」とがっこんとカップをぶつける。少し勢いがありすぎて水がこぼれたのはご愛嬌。二人とも喉が乾いていたので一気に飲み干す。「ぷはぁっ」ゴン。という一連の動作までシンクロさせた後、同時に同じ方向を向いた。

すなわち、タマゴ。

穴の中からちらちらっとあった視線がパッと消える。
「………」
「………」

二人は思わず顔を見合わせてしまった。次いででたのは大笑い。
「そうだよな。三橋だって気になるよな!」
「そうそう。フミキが何したか気になるが。」
そーだな!とユウイチロウが答える。あわてて視線を反らしたからか、タマゴはゆらゆらと揺れている。
「楽しみにしてるからな!」
「オレも!明日はオレの部屋だから話そうな!」

ゆらりとタマゴが揺れ、再度二人は顔を見合わせた。
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